top of page
   最新記事

お陰様でサロンコンサートシリーズVol.Ⅴも沢山の皆さまにお越しいただきまして無事に終了いたしました。ありがとうございました。

今回のプログラムは、シューベルト、ベートーヴェン、クライスラー、チャイコフスキーとチャイコフスキー以外はウィーンにゆかりのある作曲家達が並びました。

年代的にもベートーヴェンとシューベルトは重なっている部分があり、ベートーヴェンの亡くなる数日前にはシューベルトがお見舞いに行っていたりと同じ時代に同じ場所で生きた作曲家でもあります。それぞれの作曲家には語法のような音楽的特徴があり様々な作品を演奏してみるとその違いをよりはっきり感じとることができ、とても面白いです。

ベートーヴェンのヴァイオリンとピアノの為のソナタは全10曲ありますが、全てウィーン時代に作曲したものです。今回演奏しました第4番は、ベートーヴェンの耳の聞こえがますます悪くなってきた1801年に作曲されており、曲全体も彼のそうした苦悩を表現しているかのようです。翌1802年には「ハイリゲンシュタットの遺書」が書かれます。また第2楽章では、そうした自分の状況をユーモラスに達観したかのようでもあります。ベートーヴェンはこれまで主流であったピアノソナタにヴァイオリン助奏を付けるというスタイルからヴァイオリンとピアノの対話を目指すスタイルを目指していました。この第4番からこの対話のスタイルが顕著に現れてきます。劇的な要素とその対話のスタイルによりこの第4番はベートーヴェン独特の世界観を創り出しており大変魅力的です。

シューベルトのヴァイオリンとピアノの為のソナチネは彼が19歳の時に作曲されたもので、全部で3曲あります。今回演奏したのでは第2番ですが、朗らかな曲想の他の2曲に比べるとどこか歌曲「魔王」などを思わせる悲劇的な部分と一転して心に染みる抒情的な旋律が印象的です。

今回のプログラムのシューベルトとベートーヴェンの作品はどちらもイ短調で作曲されており、どちらも悲劇的な作風です。イ短調は苦悩や馳走感を表現するのに適しているのかもしれません。

そしてもう一人、クライスラーは生粋のウィーン人です。その作風は古き良きウィーンの時代を感じさせます。第1回からサロンコンサートシリーズにご出演頂いている後藤泉さんは、ウィーンフィルのメンバーとも度々共演されておりその素敵なニュアンスの演奏に本当に昔のウィーンにタイムスリップしたかのような気分になりました。

プログラムの最後は、ロシアの作曲家チャイコフスキ―の「ワルツ・スケルツォ」です。この曲を作曲した翌年には有名なヴァイオリン協奏曲を書いており、スケルツォ風の軽快さとワルツの性格を持つ優雅な雰囲気の中にも協奏曲風の技巧的な豪華さも合わせ持つ作風となっています。

アンコールには、イタリアのパガニーニの「カンタービレ」とパラディスの「シチリエンヌ」を演奏いたしました。

そして最後にサプライズも!ちょうどコンサートの日がお誕生日の方がいらしてまたお越しくださった皆様にどうも11月生まれの方が多いとの情報を事前に得て(私も実は前日が誕生日でした)皆さん一緒にお祝いしましょう!!とハッピーバースデイを演奏しました。いくつになってもお祝いは嬉しいもので沢山の笑顔に溢れた温かい雰囲気にとても嬉しくなりました。

今回ベートーヴェンのヴァイオリンとピアノの為のソナタ第4番を演奏し、あと弾いていないのは第2番と第10番のみになりました。2020年のベートーヴェン生誕250年までにはベートーヴェンのヴァイオリンとピアノの為のソナタ全曲演奏の夢も叶いそうでワクワクしております。

益々、パワーアップして精進してまいりたいと思いますので今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

2017年11月19日(日)14時開演 アウローラミュージックサロンコンサートシリーズVol.Ⅴを開催いたします。

【プログラム】

ベートーヴェン:ピアノソナタ 第20番

シューベルト:ヴァイオリンとピアノの為のソナチネ 第2番

ベートーヴェン:ヴァイオリンとピアノの為のソナタ 第4番

チャイコフスキー:ワルツ スケルツォ

クライスラー:愛の喜び 愛の悲しみ シンコペーション

全部で10曲あるベートーヴェンのヴァイオリンソナタの中から今回は第4番を演奏いたします。ベートーヴェンのソナタの第1番から第3番の作品12の1~3の3曲は、いずれも長調でベートーヴェンの初期の作品にあたり、その明るい響にモーツァルトのヴァイオリンソナタの雰囲気も感じられます。一方、今回演奏する第4番作品23はイ短調の力強く激しい曲調にベートーヴェンらしさが顕著に現れてくる作品です。第5番のスプリングソナタ、第9番のクロイツェルソナタなどが頻繁にプログラムに取り入られ機会が多いのですが、今回演奏する第4番はあまり演奏会では取り上げられないものの、ベートーヴェンの弦楽四重奏第4番を思わせるような、ヴァイオリンとピアノのやりとり等がなかなか魅力的な作品です。ピアニストはサロンコンサートシリーズ第1回から出演してくださっている後藤泉さんです。後藤さんは2020年のベートーヴェン生誕250年向けて、今年からNHK文化センター青山教室にて32曲あるベートーヴェンのピアノソナタを全曲演奏するシリーズを開始されました。今回のサロンコンサートでもベートーヴェンのピアノソナタを演奏して頂きますのでとても楽しみです。

シューベルトのソナチネ第2番は夏のサロンコンサートでも取り上げましたが、共演者によってまた違った表現になるので今からどんな演奏になるのか私自身ワクワクしています。このシューベルトのソナチネの第2番はベートーヴェンのヴァイオリンとピアノの為のソナタ第4番と同じイ短調の作品でシューベルトとベートーヴェンのイ短調作品を聴きくらべてみても面白いですね。

他のプログラムは、チャイコフスキーの華やかな雰囲気の「ワルツ・スケルツォ」やクライスラーの愛の喜び、愛の悲しみ、シンコペーションを演奏いたします。

秋も深まる午後、サロンでヴァイオリンとピアノの音楽のひと時をお楽しみください。

毎回、曲の説明などのトークもご好評をいただいております!

皆さまのお越しを心よりよりお待ちいたしております。

アウローラミュージックサロンコンサートシリーズVol.Ⅳもお陰様で無事に終了いたしました。お越し頂きました皆様には心より感謝いたします。ありがとうございました。

私自身とても楽しみにしていたコンサートでしたが、実は今回7月初旬あたりから体調不良に悩まされ、今回のコンサートを開催できるのかと一時は不安があったのですが、周りの皆さまのサポートやそしてとても前向きでパワフルな共演者の矢島愛子さんのお陰もあり、本番では集中して楽しく演奏でき、また聴衆の皆さまにも喜んで頂けた様子にほっといたしました。これからは、体調管理にも気を付けて日々過ごさなければ、と改めて思いました。今回のプログラムは、それぞれが天才と呼ばれていた作曲家、モーツァルトとシューベルトからモーツァルトはヴァイオリンとピアノの為のソナタKv.304 、シューベルトはヴァイオリンとピアノの為のソナチネ第2番、ピアノソロではロシアのプロコフィエフが作曲したバレー組曲「ロミオとジュリエット」10の小品より 2「情景」

3「メヌエット」4「少女ジュリエット」6「モンタギュー家とキャピュレット家」、

ヴァイオリンの小品では、クライスラーの「美しきロスマリン」と「シンコペーション」、アウローラミュージックサロンのテーマソングにもしているエルガーの「朝の歌」、ロマン派時代のロシアの作曲家チャイコフスキーの「メロディ」そしてプログラム最後はハンガリーのロマの音楽を意識して作曲されたフランスの作曲家ラヴェルの「ツィガーヌ」、アンコールにはパラディスの「シチリエンヌ」と矢島さんのピアノソロでスクリャービンの前奏曲より、と盛りだくさんの内容となりました。

毎回アウローラミュージックサロンのコンサートでは、トークで曲の解説をしながら聴衆の皆さまに分かり易いようにコンサートを進めていきますが、演奏者もお話しして説明しながら演奏することによって曲への思いや解釈もより深まるような気がします。

改めまして温かな雰囲気の中で音楽のひと時を皆さまとご一緒に過ごせましたことを心より嬉しく感謝いたします。

これからもプログラム、演奏ともによりお楽しみ頂けるコンサートを企画してまいりたいと思いますので今後ともどうぞ宜しくお願い致します。

次回のサロンコンサートシリーズVol.Ⅴは秋の11月19日(日)に予定しております。

また、詳細は決まりましたらこちらでお知らせいたします。

皆さまもお身体お大切に日々お過ごしください。

bottom of page